「ブッシュ再選と世界―識者に聞く」の中で、前米国駐日大使柳井俊二氏も心配しているようだ。
「・・・欧州が互いに譲り合いながら統合を進める中で、米国と異なった世界観
を抱くようになっている。国々が協力し合えば問題は解決できるという考えだ。
一方米国は、世界はなお危険で敵意に満ちた場所だという見方を変えていな
い。・・・欧州はより世俗的になり、人種的にも多様化しつつあるのに対して、米
国は従来に比べて政治の場で信心深さが語られ聖書が引用されるなど保守化し
ている。・・・宗教的な言葉が政治の世界に入り込む米国の傾向は、イスラムを除
くと、世界ではあまり見られない現象だ。・・・(今度の選挙では)不思議な事が
起きた。小さな町に住む勤労者層が富裕層の利益を代表する共和党政権を支持
し、大都会の富裕層の方が現政権を批判してケリー氏に投票したのだ。・・・危険
なのは、内陸部対東西沿岸部とか、大都市住民対小さな町の住民という対立概
念が固定化してしまうことだ。民主党は内陸部を諦めてはいけない。米国が内
陸部と沿岸部で対立するようになることは、戦争に繋がった十九世紀の南北対
立とほとんど同様に危険なことだ。・・・」
